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理学療法士やめとけはウソ?現状の問題とやめておいた方が良い人の条件

理学療法士やめとけはウソ?現状の問題とやめておいた方が良い人の条件

「理学療法士になりたいけど、やめとけ!ってホント?」

「理学療法士は給料が安い・将来性がないと聞いて目指すのが不安…」

理学療法士を検索すると、ネガティブなキーワードばかりで不安になりますよね。

19年目の理学療法士である筆者からすると、「理学療法士やめとけ」は極論すぎると思っています。

現状の問題はあるものの、「100%やめとけ」ってほどひどい仕事じゃないですよ。

ただ、「やめといた方がいいかもね」って人がいるのも事実。

本記事では、

  • 理学療法士をやめとけと言われる現状の問題が知りたい
  • 理学療法士をやめといた方がいい人とは
  • 理学療法士として成功できるための条件が知りたい

そんな方の為に、人事・採用を担当する19年目理学療法士の筆者が解説します。

キレイごとではない「現場のリアル」をお伝えするので、知りたい方はぜひ読み進めてください。

この記事を書いた人

リハビリテーション部 部長
10年以上、院内の人事・採用を担当
延べ300人以上の人事・採用に携わる
年収800万超
理学療法士の働き方や就職に関する情報を発信

目次

理学療法士 やめとけと言われる理由

「理学療法士、やめとけってよく言われるんだけど…」

そんな風に言われたら100%不安になりますよね。

まずは、理学療法士「やめとけ」と言われる理由について、現状の問題を解説します。

2026年~27年に需要と供給が逆転する

まず、一番大きな理由としてよく挙げられるのが、「2026年~27年には理学療法士の需要と供給が逆転する」と予測されていることです。

これ、聞いたことありますか?

実は、今後数年で理学療法士の数が急激に増えると予想されているんです。

理学療法士の需給推計

つまり、今はまだ求人数の方が多い職種ですが、今後は理学療法士の人数の方が「過多」になるということ。

でも、私自身はあまり悲観してないんですよ。

なぜなら理学療法士の需要がなくなるわけじゃないから。

むしろ、「理学療法士を新規に雇うことが出来る」=経営状態の良い病院が生き残っていくと思います。

昇給率が低い

もう一つ、「やめとけ」と言われる理由としては、昇給率の低さが挙げられます。

よく、「理学療法士は給料が安い」という現場の嘆きを聞きますが、給料の安さというより、昇給率が低いことが問題です。

初任給はたいして変わらない

上のグラフを見てもらうと分かるんですが、「初任給」だけ見ると、他職種と比べても大して変わらないんですよ。

問題は昇給率が低い=給料が上がらないこと

だから、新卒から数年は、みんなモチベーション高く頑張れる。

でも、数年すると「あれ?給料全然上がんなくない?」ってことに気づくんですよ。

全日本病院協会の調査によると、理学療法士の平均賃上げ率は1.9%。

厚生労働省が2023年に発表した国内民間企業の賃上げ率3.6%

30歳前後になると、他の職種と比べて給料の差が明らかに開いてくる。

そこで絶望に近いあきらめの感情がわいてくるんですね。

その結果、「理学療法士やめとけ」という人が増えてくるという構図です。

理学療法士の昇給率が低い理由

でね、「昇給率低いならやめとこ」って、ここであきらめるくらいの気持ちなら、理学療法士やめといた方が良いです。

でも、「なんで理学療法士の昇給率が低いの?」「みんな低いの?高い職場もあるの?」って考えてる人。

そんな人はあきらめるの早いですよ。

理学療法士の「平均昇給率」が低い理由は、病院全体の約7割が赤字経営だという背景があります。

赤字ってことは、売上がマイナスってことですよね。

売上がマイナスなのに、給料上げられますか?

つまり、赤字経営の7割の病院で働いてしまうと、昇給率が低いということです。

勘の良い人は気づいたと思います。

そう、逆に「黒字経営の3割の病院」で働けばいいんです。

次の項目で「理学療法士として成功する条件」について解説します。

理学療法士として成功する条件

じゃあ、「やめとけ」といわれる理学療法士として成功する条件が知りたいですよね。

現役19年目、理学療法士として年収800万に到達した筆者が解説します。

職場選びが9割

正直、職場選びで「9割」決まります。

選ぶべき職場の必須条件は以下の2点です。

  • 経営状態の良い
  • 将来のビジョンがある

多分、学校では言われません。

だって、経営状態の良い病院って3割しかないんですよ。

学校で「経営状態の良い病院を選びましょう」って言ったら、たぶん就職できない人が出てきちゃいますよね。

だから、本当の意味で「良い病院」が分からないまま就活しちゃうので、「大きい病院」とか「総合病院」をなんとなく選んじゃう。

結果として、就職して数年後、給料が上がらなかった時に初めて「職場選びを間違えた」と気づく人が多いんだと思います。

経営状態の良い病院なら給与も上がりやすい

経営状態が良い病院で働いていると、昇給のチャンスが高くなる理由は、黒字経営だからです。

つまり、職員に支払う給料も安定して確保できるんです。

さらに考えてみてください。

赤字経営の病院が多い中、黒字を出せている病院って、将来のビジョンや経営戦略をしっかり考えていることが多いんですよ。

そういう病院なら、あなたが60歳になったときのこともちゃんと考えてくれるはずです。

長く安心して働けるかどうかを見極めるポイントは「その病院に将来のビジョンがあるかどうか」です。

経営がしっかりしていて、未来を見据えている病院を選ぶことで、安心してキャリアを築いていけます。

理学療法士の技術研鑽×多様な知識研鑽

理学療法士として成功するためには、技術研鑽だけでは不十分です。

実は、理学療法士として職場に貢献できる金額は、国の決まりで上限が決まっています。

そのため、どれだけ技術を磨いても、職場の「売上」に大きなプラスを生むのは難しいんですよね。

じゃあ、どうやって職場に貢献するのか?

ここで必要になるのが、多様な知識の研鑽です。

例えば、人材育成のスキルやチームをまとめる力があれば、職場にとってあなたは「理学療法士以上」の価値を持つ存在になります。

「理学療法士は理学療法の勉強だけしていればいいんでしょ?」と思っているなら、そこにちょっと修正が必要です。

しかし、これは理学療法士業界に限ったことではありません。

他の業界でも、年収を上げたり、出世するためには、幅広い知識を身につけることが求められています。

理学療法士も同じで、ただ技術を磨くだけでなく、他の分野でのスキルや知識を増やしていくことで、職場での価値がぐんと上がるんです。

つまり、理学療法士としてのキャリアを成功させるためには、技術研鑽と多様な知識研鑽の両方が必要だということです。

理学療法士やめといた方がいい人

ここまで解説してきたように、理学療法士という仕事が一概に「やめとけ」という状況ではありません。

しかし、「理学療法士はやめといた方がいいかも」という人には一定の条件があるので解説します。

資格をとれば安泰と思っている人

まず、資格を取れば安泰だと思っている場合です。

その考えだと、理学療法士にはあまり向いていないかもしれません。

なぜなら、理学療法士の仕事は資格を取ったら終わり、ではなく、むしろそこからが本当のスタートなんです。

理学療法の世界では、日々新しい知識や技術が生まれてきます。

その変化に対応し、自分のスキルをアップデートし続けることが求められます。

ただし、この「成長し続ける姿勢」は、他の職業でも同様です。

成功するためには「今」の知識や技術に満足せず、常に新しいことを学び、成長していくことが欠かせません。

もし、資格を取ればそれで一生安泰だと思ったまま就職すると、ギャップに嫌気がさしたり、やめといたらよかったと後悔する可能性があります。

研鑽はしたくないけど昇給したい人

また、「研鑽はしたくないけど昇給はしたい」という考えの人も、この職業には向いていないかもしれません。

理学療法士としてのキャリアを築くためには、自分のスキルを磨き続けることが求められます。

昇給を望むなら、それに見合った努力が必要です。

この仕事は、患者さんの健康に直接関わる責任ある職業です。

だからこそ、常に最善を尽くす姿勢が求められます。

もし、「就職したら勉強とかしたくないな」という人は、他の職業を検討した方がいいかもしれません。

理学療法士を目指すか悩む人がやるべきこと

本記事にたどり着いてくださった方は、「理学療法士を目指すかどうか悩んでいる」のではないでしょうか。

自分の人生を左右する決断。

悩むのも当然です。

ここでは、「理学療法士を目指すべきか悩んでいる」という方に、まずやるべきことをお伝えします。

自分の強みを把握する

まず、自分の強みをしっかり把握すること。

自分が何を得意としているのか、どんなことに情熱を持っているのかを見極めることで、理学療法士としてのキャリアが自分に合っているかどうかがわかります。

あなたは、自身の強みは何か、すぐに答えられますか?

まずは自身の強みは何か把握することから始めてみましょう。

理学療法士の仕事を具体的に把握する

次に、理学療法士の仕事を具体的に把握することです。

実際の業務内容、求められるスキル、学習内容を理解することで、自分がこの職業に向いているかどうかを判断できます。

大学や専門学校のオープンキャンパスに足を運ぼう

おすすめの方法は、大学や専門学校のオープンキャンパスに足を運んでみることです。

実際に現場を見て、理学療法士として働く先輩たちの話を聞くことで、自分がこの道を進むべきかどうかを判断するための材料が増えます。

正直、ネットや机上の情報だけではイメージに限界があるんですよね。

リアルを知らないまま道を選ぶと、「こんなはずじゃなかった」「イメージと違った」といった後悔に繋がりかねません。

よりリアルな情報を得ることで、進むべき方向は「理学療法士の道」なのか、しっかり見極めてください。

理学療法士やめとけと言われて不安な人のよくある質問

理学療法士はオワコンってホント?

理学療法士がオワコンというより、「オワコン理学療法士」と呼ばれる原因になっている働き方がある、といった方が正しいでしょう。

関連記事理学療法士はオワコンではない。理学療法士として成功し輝くための条件

理学療法士は将来性がない?

理学療法士の需要と供給が逆転することや、平均昇給率が低いことで「将来性がない」と嘆かれることが多いです。

せっかくなら、将来性のある理学療法士を目指しましょう。

関連記事将来性のある理学療法士とは?将来性のある理学療法士になる方法

理学療法士は生活できないと聞いて不安

昇給率が低い病院で働く理学療法士の中には、「生活できない」と不安に感じる理学療法士がいるのも事実です。

あなたが理学療法士をめざして「不安なく生活できる」「理学療法士として誇りを持って働ける」ためには、職場選びが重要です。

関連記事誰も教えてくれない「不安なく生活できる理学療法士」になる為の職場の選び方

まとめ:自分としっかり向き合って、理学療法士を目指すべきか判断を

ここまで、理学療法士やめとけと言われる真相や、やめとけと言われる業界で成功するための条件について解説しました。

  • やめとけと言われる理由
    • 2026年~27年に需要と供給が逆転:
    • 昇給率が低い
  • 理学療法士として成功するなら職場選びが重要
    • 経営状態が良い
    • 将来のビジョンを持つ
  • 目指す際の注意点
    • 資格取得だけでは安泰でない
    • 多様な知識研鑽が必要

大切なのは、理学療法士として将来性のある職場を見つけ、技術や知識を磨き続けること。

そうすれば、理学療法士として充実したキャリアを築くことができるでしょう。

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この記事を書いた人

リハビリテーション部 部長
10年以上、院内の人事・採用を担当。
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理学療法士の働き方や就職に関する情報を発信。

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